足に悩みを抱える方にセルフケアやっていますか、と質問をすると
「タオルギャザーやってますよ!」
そんな声をお客さまからよく聞きます。足のアーチを鍛える代表的なセルフトレーニングとして、多くの方に知られているタオルギャザー。
確かに、手軽にできる運動としてはとても優秀です。しかし実は、その「やり方」や「使っている筋肉」がズレてしまっていると、思っているような効果が出ないばかりか、逆にふくらはぎばかりが疲れて
しまうこともあります。
よくふくらはぎをつる方は要注意です。
今日は、そんなタオルギャザーの落とし穴と、足のセルフケアで本当に意識してほしいポイントについて、解説していきます。
☆そもそもなぜ足のケアが大切なのか?
当院のブログでも何度かお伝えしていますが、足のアーチの崩れ(扁平足)や「浮き指」といった状態は、全身の不調の“はじまり”であることが非常に多いです。
たとえば…
- 外反母趾
- 巻き爪
- 膝痛・股関節痛
- 猫背や反り腰
- 慢性的な肩こりや腰痛
これらの原因が、実は「足指が使えていない」「足のアーチが落ちている」といった問題から始まっているケースは少なくありません。
だからこそ、「足を整える」という視点は、身体全体の健康にとっても非常に重要なポイントなのです。
☆タオルギャザーは万能ではない?“使っている筋肉”に要注意
足のセルフトレーニングとして定番の「タオルギャザー」。
これは、足元に置いたタオルを足の指でたぐり寄せることで、足指を鍛える運動です。一見すると「足のアーチを鍛えられていそう」な気がしますよね。
ところが、実際に多くの人がやっているタオルギャザーは、足の指の先だけを曲げていることが多く、これでは主に長趾屈筋(ちょうしくっきん)という筋肉が働きます。
この長趾屈筋というのは、ふくらはぎの深部にある筋肉で、足指の先端までつながっています。つまり、「タオルギャザーを頑張ってやっているけど、なぜかふくらはぎが疲れる」という人は、本来鍛えたい足の裏の筋肉ではなく、ふくらはぎを使ってしまっているという状態になっているのです。
☆鍛えるべきは「内在筋(足裏の筋肉)」
では、私たちが本当に鍛えるべき筋肉はどこなのか?
それは「足底筋群」と呼ばれる、足の裏の深い場所にある小さな筋肉たちです。特に、短趾
屈筋(たんしくっきん)や母趾外転筋(ぼしがいてんきん)といった筋肉は、足のアーチを支える大事な役割を果たしています。
これらの筋肉をしっかり使うには、足の指の付け根(MP関節)から曲げる意識が必要です。
足の先端だけでなく、「付け根から曲げる・握る」ことができると、足底筋群にしっかり刺激が入ります。
もう少し高度になると、足趾を使わずに足の付け根でタオルを寄せるタオルギャザーもあります。これは足底筋群がしっかり使えないとできないので、上級者向けです。
この違いはパッと見ただけではわかりづらいですが、意識を変えるだけで効いてくる場所が大きく変わってきます。
☆まずは「整える」ことがトレーニングよりも先
ここまで読んで、「じゃあ、タオルギャザーのやり方を直せばいいのか」と思う方もいるかもしれません。もちろんそれも正解のひとつですが、もうひとつ大切なのが、「体のバランスや足のゆがみを整えてからトレーニングする」という順番です。
たとえば、足のアーチがすでに崩れていたり、浮き指の状態だったりする場合、正しい筋肉をうまく使うこと自体が難しいケースがあります。土台が傾いているまま運動をしても、結局使われる筋肉が偏ってしまうからです。
当院では、まず体のバランスや足のゆがみを整える施術を行ったうえで、「その人に合ったセルフケアやトレーニング」を指導しています。整っている状態で行うトレーニングは、同じ動きでも効果がまったく違ってきます。
☆まず“足元”を見直しましょう
健康の基本は「足元から」とよく言われますが、本当にその通りです。タオルギャザーのような簡単な運動も、やり方や順番を間違えてしまうと効果が出ないだけでなく、他の場所に負担がかかる原因にもなりかねません。
セルフケアはとても大切です。しかし、自己流で続ける前に一度、「自分の体が今どんな状態なのか」を知ることが大切です。
もし、あなたが足の指が使いにくい、足が疲れやすい、浮き指が気になる、といったお悩みをお持ちであれば、ぜひ一度、当院で足の状態をチェックしてみませんか?
正しいセルフケアは、「正しく整えること」から始まります。
足に関するブログもご覧ください。
足の治療メニュー